インテリジェンスと保守自由主義―新型コロナに見る日本の動向

時事江崎道朗

著者:江崎道朗

ISBN:978-4792606770

判型:四六判/並製

定価:1650円(税込み)

コロナ対策から安倍政権下で創設された国家安全保障会議
そして欧米における近現代史見直しの動向を踏まえながら、
インテリジェンスとは何かを問う!

新型コロナ対策が後手後手になったのは何故か。
日本の国家戦略の司令塔「国家安全保障会議」とはいかなる組織か。
ソ連に占領されたバルト三国、ポーランドの悲劇とは。
トランプ政権はなぜ減税と規制緩和、そして軍拡をするのか。

  • 新型コロナ対策が後手後手になったのはなぜか
  • 二十世紀の国際社会のインテリジェンスの戦いはどのようなものだったのか
  • ソ連・コミンテルンは、外国にいかなる工作を仕掛けてきたのか
  • 世界の自由主義国家はソ連・コミンテルンにどう立ち向かってきたのか
  • 国際社会での近現代史見直しとインテリジェンス機関はどう関係しているのか
  • インテリジェンス機関を使いこなすためにはどのようなことが必要なのか
  • インテリジェンスと軍事、経済、外交との関係はどうあるべきなのか

【目次】

第1章 インテリジェンス機関設立の背景
彼を知り己を知れば百戦危うからず
カール・マルクスに言及した夏目漱石
ロシア革命からコミンテルン創設へ
内乱はこうして起こる
愛国心が戦争を起こすというプロパガンダ
労働組合乗っ取り工作
アメリカのマスコミが偏向している背景
国際共産主義による秘密工作は現在進行形

第2章 スパイ防止法に基づいて弾圧されたバルト三国
東郷平八郎元帥の写真を飾ったポーランド人
ソ連によって侵略され、独立を奪われたバルト三国
ソ連の戦争責任追及から始まったバルト三国の民主化運動
サーレマー島での虐殺
ソ連のスパイ防止法によって弾圧されたバルト三国の人々
ヤルタの裏切り――大国の美辞麗句を信じるな

第3章 同盟国を盲信するな――ポーランドの悲劇
二〇一八年はポーランド独立回復百年
国歌「ポーランド未だ滅びず」
日露戦争の勝利がアジア・アフリカの諸民族に勇気を与えた
日本軍への協力を提案したポーランド
ドイツのポーランド侵攻から始まった
ワルシャワ蜂起でのソ連の裏切り
ルーズヴェルト大統領とチャーチル首相の背信

第4章 ソ連の人権侵害と戦争責任を追及するヨーロッパ
冷戦終結を契機に見直される「戦勝国史観」
ソ連を侵略国家だと批判した欧州議会
ソ連・共産主義と闘う「自由主義」

第5章 国際共産主義と闘い続けた日本
明治三十二年に外事警察が創設
ロシア革命を契機に対外情報機関は拡充へ
「特高警察」誕生の背景
テロと拉致問題への対策がきっかけに

第6章 インテリジェンスを国策に生かす仕組み
国家安全保障会議の設立
日本政府のトップシークレット
外務省には、安全保障を総合的に検討する仕組みもなかった
独立後六十一年を経てようやく策定された「国家安全保障戦略」
国家安全保障戦略の五つの基本理念

第7章 新型コロナ対策が後手後手になったのはなぜか
批判を浴びた日本政府の対応
迷走した世界保健機関(WHO)と中国
対外インテリジェンス機関がないことが一因
中国による宣伝戦と軍事干渉の危機
インテリジェンスの司令塔、国家安全保障局
安全保障の観点から対中経済・通商政策を再検討

第8章 自主独立を尊ぶ保守自由主義
共産主義犠牲者の国民的記念日
アメリカを偉大にする力は国民の勇気と献身
まず減税で国民を豊かにすること
減税と規制緩和で民間企業の自由な商売を支援
「ニューディール連合」対「保守派」
ハイエクの保守自由主義とリバタリアン
自由主義を支える五つの美徳
「政治権力や行政当局に対する健全な疑い」

第9章 インテリジェンスを支える富国強兵
「DIME」
尖閣をめぐる米中の鍔迫り合い
日本の「宇宙部隊」はたった二十人
台湾総統選をめぐる日本の勘違い
短期激烈戦争に対抗する米軍
日本は「国際的なプレイヤー」か
日本のGDPは中国の8分の1以下に
デフレは、戦争以上のダメージを与えてきた
ビスマルク宰相のアドバイス

おわりに